私たちの日々の判断は「感情バイアス」によって阻害されている?

 

「感情バイアス」とは何か?

人間の感情は常に変化しています。気分が良い時悪い時、平常心の時、焦っている時。そうした様々な感情の変化が、毎日の選択に影響を与えています。

 

バイアスと言うのは好意的な意識や論理的な判断を阻害するものです。

 

ノーベル経済学賞を受賞した学者ダニエル・カーネマン教授は簡単な数学の問題を例に出し、人間が陥りがちなバイアスのリスクについて説明をしました。

 

次の問題を読み10秒以内に答えてください。「バットとボールをセットで1ドル10セントします。バットはボールより1ドル高い。ボールはいくらでしょうか?」

 

さてあなたはボールはいくらと考えましたか?

カーネマン教授が実際に行った実験では、多くの人は素早く自信を持って「5-10セントだ」と答えました。しかしそれは間違いで正解は5セントです。バットが1ドル5セントでボールは5セントとなります。

 

もしあなたが10セントと答えてしまったとしたら、それがまさに選択を狂わせるバイアスの代表的な作用だからです。

 

この研究では、同じ問題をハーバード大学やマサチューセッツ工科大学といった一流大学の学生にも出題していますが、半数以上が10セントと答えています。バイアスは聡明さや地頭の良さ、学習能力の高さとは関係なく特定の状況下で人間の判断力を狂わせるものなのです。